
前置き
ランニング時の足の着地方法にはいくつかの種類がありますが、最も一般的で多くの方が自然に行っているのが「ヒールストライク(かかと着地)」です。
一時期、つま先側から着地する「フォアフット走法」や「ミッドフット走法」がブームになり、「かかと着地は良くないの?」と不安に思った方もいるかもしれません。
管理人はサブスリーを目指す上で、「ヒールストライク」→「フォアフット」へ着地を見直しました。
しかし結論から言うと、ヒールストライクには大きなメリットがあり、決して悪い走り方ではありません。
今回は、ヒールストライクのメリット・デメリットを分かりやすく解説し、特に膝や足を痛めずに長く走り続けたいランナーが抑えておくべきポイントをお伝えします!
ヒールストライク(かかと着地)とは?
ヒールストライクとは、走る際の着地時に「かかとから地面に接地し、つま先へと重心を移動させて蹴り出す」走り方のことです。
歩行時の動作の延長線上にあるため、特別なトレーニングをしなくても自然にできるのが最大の特徴です。
市民ランナーの約7〜8割以上がこのヒールストライクで走っていると言われています。
ヒールストライクの3つのメリット
特にゆっくりとしたペースで長く走りたいランナーや、初心者〜我々マスターズ世代にとって、ヒールストライクには多くの利点があります。
1. ふくらはぎやアキレス腱への負担が少ない
つま先立ちに近いフォアフット着地は、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)やアキレス腱に常に強い緊張がかかります。
一方、ヒールストライクは骨格で衝撃を受け止めやすいため、ふくらはぎやアキレス腱を痛めにくいという大きなメリットがあります。
2. エネルギー消費が少なく、疲れにくい(長距離向き)
かかとからスムーズに重心を前方に移動させる(ローリング動作)ため、筋力を過剰に使わずに推進力を得られます。
人間の身体の構造上、ジョギングやフルマラソンのような長時間・長距離の走行において非常にエネルギー効率が良い走り方です。
3. 体得が容易でリラックスして走れる
歩く動作と同じ感覚で走れるため、フォームを意識しすぎて身体が力むことがありません。
ランニング初心者や、健康維持目的で走る方にとっても最も安全で始めやすい走り方です。
ヒールストライクの3つのデメリット
メリットが大きい反面、走り方や意識を一歩間違えると身体への大きなダメージにつながる側面もあります。
1. 着地時の「膝・股関節」へのブレーキ衝撃が大きい
体の重心より遠く前にかかとを着地させてしまうと、進む力に対してブレーキをかけるような強い衝撃が発生します。
この衝撃はダイレクトに「膝(ランナー膝など)」や「股関節」「腰」へと伝わるため、関節障害の原因になりやすいです。
2. スピード(ペース)が出しにくい
かかと着地からつま先への抜けという工程を踏むため、接地時間が長くなりやすい傾向があります。1キロ3分〜4分台前半のような高いスピードを出す場面では、前への推進力に変わりづらく、速く走るのにはあまり適していません。
3. シューズの「かかと部分」の摩耗が早い
着地のたびにかかと部分へ集中的に体重がかかるため、ランニングシューズのかかと側のソール(底)が減りやすくなります。
【ひと目でわかる】着地パターンの特徴比較
| 項目 | ヒールストライク(かかと) | ミッドフット(足裏全体) | フォアフット(つま先・前足部) |
| 主な負担部位 | 膝・股関節・腰 | 足裏・全体の分散 | ふくらはぎ・アキレス腱 |
| 適したペース | ゆっくり〜中速(ジョグ・完走) | 中速〜高速 | 高速(サブ3・短距離) |
| 体得の難易度 | 簡単(自然にできる) | 普通 | 難しい(筋力が必要) |
| エネルギー効率 | 長距離で高い | バランスが良い | 短時間・高速度で高い |
トップランナーもヒールストライクはいます。
女子選手ではヒールストライクの選手が多い印象です。
①佐藤早也伽選手(積水化学)

名古屋で開催されたアジア大会での画像ですが、奇麗なヒールストライク走法です。
①小林香菜選手(大塚製薬)

ヒールストライク最強のマラソンランナーといえば、個人的には小林選手です。
超高速ピッチで駆け抜ける姿はヒールストライクのお手本です。
ヒールストライクで怪我を防ぐための「3つのコツ」
ヒールストライクで走る際に最も警戒すべきは「膝への負担(オーバーストライド)」です。
以下の3つのコツを意識するだけで、関節へのダメージを劇的に減らすことができます。
① 「身体の真下」に近い位置で着地する
足を前に放り出すように着地するのではなく、自分の骨盤(重心)の真下に足を置くイメージで着地しましょう。これだけで膝にかかるブレーキ衝撃が激減します。
② 歩幅(ストライド)を狭め、歩数(ピッチ)を増やす
歩幅を広げようとすると、どうしても足が前につきすぎてしまいます。歩幅を少し狭くして、小刻みに足を動かす(1分間に170〜180歩程度)ことを意識すると、自然と理想的な着地位置になります。
③ クッション性の高いシューズを選ぶ
かかと部分に厚みがあり、衝撃吸収性・安定性に優れたデイリートレーナーモデル(アディダスのHYPERBOOSTやSUPERNOVA、アシックスのGEL-KAYANOなど)を選ぶことで、かかとからの衝撃をシューズがしっかり吸収してくれます。
まとめ:無理にフォームを変える必要はありません!
「ヒールストライクはダメ」「フォアフットに変えなきゃ」と無理に走り方を変えようとすると、慣れない筋肉に負担がかかり、アキレス腱断裂や肉離れなどの大きな怪我につながるリスクがあります。
- ゆっくり長く楽しみたいなら「ヒールストライク」で十分!
- 大切なのは着地場所(身体の真下で捉えること)
- 小刻みなピッチとクッション性の良いシューズで膝を守る
自分の目的や体形に合ったフォームを大切にしながら、怪我なく快適なランニングライフを送りましょう!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。